辻村深月『名前探しの放課後』

読書感想

前半停滞から一気読み、そして・・・

辻村深月さんの『名前探しの放課後』を読み終えました。
上下巻の長編なので、ゆっくり読んでいたのですが……

ところが後半に差し掛かった瞬間、
「さすが辻村深月作品!」と叫びたくなるくらい
ページをめくる手が止まらなくなりました。

そして最後。
仕事の休憩中なのに涙が止められないほどの、静かで大きな衝撃。
読後の余韻がずっと続いています。


前半はなぜ入り込めなかったのか

『名前探しの放課後』は、緩やかに積み上げていくタイプの物語。
人物同士の距離感や“空気の重さ”を丁寧に描くぶん、
テンポがゆったりしていて、正直、
下巻の前半までは物語の“核”が見えにくい印象でした。

でも、この“じわじわ感”が最後に効いてきます。


後半の加速と、読む手が止まらなくなった瞬間

下巻の後半に入ると、一気にスイッチが入ります。
それまで散りばめられていた小さな違和感や伏線が
静かにまとまり始めて、
気づけば夢中で読んでいる。

「この物語、こんなに熱量があったんだ…」
と思わせる展開でした。

辻村深月さん特有の、
“優しさと痛みが同居する世界”が一気に広がります。


ラストの衝撃と涙

ラストの展開は、もう言葉にしづらいほど静かで、確かで。
派手な演出があるわけではないのに、
心に刺さるものが一気に押し寄せてきました。

思わず、仕事中なのに涙が止まらなくなったほどです。

ここは完全に“ネタバレ厳禁”なので書きませんが、
読み終えたあとにしばらく現実に戻れませんでした。


エピローグの「あれがかかってしまうとは~」

エピローグの

「まさかあれがかかってしまうとは思わなかった」
の一文。

これがずっと気になっています。
謎は解けていません。

辻村作品を読んでいると、
他作品とのリンクがある瞬間が“ご褒美”のように感じていて、
今回も過去作との関係を探しながら読んでいました。

他の作品と同じ世界の中で違う物語が進んでいる。
1作品読み終えても、まだ「あの」世界は続いている・・・

自分で想像した景色が、「あの」世界の地図に増えていっている

『辻村深月』世界のジオラマつくっていく感覚です。
そう考えていると、また他の作品も読み返したくなります。

この余韻も、辻村深月さんの魅力のひとつだと思います。


まとめ:最後の数十ページのために読む価値がある

正直、前半は苦戦しました。
でも最後の数十ページで、
全部ひっくり返されるような読書体験になりました。
伏線回収がすごすぎる!

読み終わってから、本棚の前でしばらくぼーっとしてしまうくらいの余韻。
また読み返したくなる作品でした。

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